第三章

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「その人の容姿は?」 再びフェイトが質問をする。 「ザンバ・グラウンド、っていう管理局員を知っているか?」 「十年前ぐらいにあった事件の被害者……だっけ?」 なんで今この話を、と思いながらも取りあえず相槌を打つフェイトとなのは。 「そいつに似ていたな、顔とか背格好とか」 「そう」 今の話を頭の中で整理していく。 「ありがと、更に詳しい話は会議で聞かれると思うからそれまでに整理しておいてね」 「わかった」 そう言うと、オルダは腕を組み、目を閉じて自分の世界に入ってしまった。 なのはとフェイトも、そんなオルダから疲れてぐったりしている新人達に意識を移し、労いの言葉をかけていく。 その間、なのははこんな事を考えていた。 (なんであの場面であんな昔の事件の被害者の顔を思い出したんだろう?) なのはも、この事件はそれなりに大きな事件だったので頭に入れていた訳だが、まさかこんな所でその知識を使うとは思わなかった。  
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