第三章

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(オルダ君はあの事件の関係者なのかもしれない) あの事件の被害者の中に、オルダ・グラウンド、という名前があった。そして目の前にいる人物の名はオルダ・ギブソン。こんな偶然はそうない。 (これが確かならオルダ君にあの眼をさせたのも頷ける) 「ふふっ」 「……?どうしたんですか?なのはさん」 側でその笑い声を聞いていたスバルが疑問をぶつける。 「なんでもないよ」 「そうですか……?」 なんでもないよ、と言うわりには何故か終始笑顔のなのは。 (これで少しはオルダ君の助けになれるよね) オルダの暗い過去を知ってしまった、というどんよりとした気持ちよりも、これからオルダの助けになれるかもしれないという喜びの気持ちの方が大きかったからである。 視線を横に反らす。 そこには目をつむって考え事をしているのか寝ているのかわからないオルダが座っていた。 その姿にくすっと笑って、なのはは新人達との会話を再開するのだった。  
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