干渉(2)

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「どうだったかね?」 自分の家――とある科学者のラボに戻って来たロストナンバーはとある科学者に出迎えられていた。 「どう、とは?」 「もちろん今回の出撃の事だよ。会ったんだろう?君が御執心の人に」 ふん、と鼻を鳴らすと、ロストナンバーはさも興味のなさそうに応える。 「ドクターが言ったんだろう、私の記憶に関わる人物だと」 そういえばそうだなぁ、と笑う科学者。 「で、何か見つかったのかい?」 「いや、何も見つからなかった」 ため息をつくロストナンバー。 「他には何かないのか、私の記憶に関わる事は」 そうだなぁ、とドクターは顎に手をやる。少しばかり思案にふけると、顎から手を外し肩をすくめた。 「何にもなかったよ」 「そうか、なら私は部屋に戻るがいいか?」 「いいよ、用があったらまた連絡を入れるよ」 ロストナンバーは科学者に一瞥すると横を通り越していった。  
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