第三章

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  通信を切ったオルダはその場に寝転がる。 (あの男、絶対に、死んで埋葬されたはずの……) ある人物の顔を思い浮かべ、ロストナンバーの顔と照らし合わせる。 (俺の父さん……) オルダは起き上がり、片膝を立てそこに額を乗せる。 (俺は向き合わないといけないのかもな、十二年前の事件に) 今まで目を背け続けてきたこと。オルダはそれを知ることによって今まで無理矢理、先に、前に捩込んできた足がもう動かせなくなるかもしれない事がただただ怖かった。 (父さん、母さんの死が無意味だったなら、多分俺はもう前に進めない。でも……) オルダ自身、あの事件の事はあまり知らないが、何か裏があると直感が告げていた。 (やるしか……ないか) オルダは傷だらけで、覚束ない足を、一歩前に踏み出す覚悟を決める。 その一歩がオルダにとって最良の選択なのか、最悪の選択なのか、悟るのはまだまだ先の事である。  
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