出会い、再会、想い。

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――出会いは、少なからずいいとは言えなかったな…。 銀色に煌めく線を、タイハクは肩を引っ込めて回避する。 振り下ろされる槍の先端を避けて、タイハクは反撃の横薙ぎを繰り出す。 後ろに宙返りをしてタイハクの剣を避け、彼女は軽快に着地する。 鋭い目付きを向ける彼女は、寅丸 星。 墜落した星輦船とその離れに安置された仲間を見て、タイハクの仕業と勘違いした彼女が襲い掛かってきたのだ。 深く踏み込み、渾身の一撃を出そうとする星を見て、タイハクは出鼻を挫こうと一気に距離を詰める。 星の間合いに入った瞬間飛んで来る攻撃を予想して、避けようと星の身長分だけ跳躍する。 星「もらった…!」 タイハク(…やられた…!) 行動が読まれていたのは、タイハクの方だった。 構えたままの姿勢で、タイハクが回避行動を取るのを星は待っていた。 長いリーチを生かした一撃を、渾身の力を込めてタイハクへと叩き込む。 タイハク「ぐっ!?」 身体全体に響き渡るような衝撃、タイハクの体は大きく吹き飛ばされる。 壁に追突した所に星が追撃を仕掛けて来るのが、反射的に少し閉じた瞼の隙間から見えた。 危機的状況だが、タイハクは逆に好機と捉えた。 タイハク「…はッ!」 壁を蹴り飛ばし、タイハクは星に向かって飛び出す。 星「なっ!?」 予想に反した行動に、星は反応仕切れずタイハクの懐への侵入を許してしまった。 鳩尾で広がる衝撃に、星は肺から息を漏らし顔を苦痛に歪める。 更に、星の後頭部の頭と首の付け根へと手刀を放ち、追い打ちを掛ける。 槍を落とし、前へと傾く星の身体をタイハクは片腕で受け止める。 星「…こんな…」 何か暖かい物が、腕に滴となって落ちてきた。 タイハク(…泣いている…?) 星「…仲間を…、私は、守れない…のか…!」 ――仲間を想うあまり、自分の及ばない所に涙を流す…。 …それが、俺が受けた最初の印象だった。
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