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――次に会ったこの人は、厄介そのものだった…。
苦手…そう言いくるめたら自分でも納得した…。
聖「星の敵です、覚悟!」
高速の拳がタイハクの頬を掠めた。
タイハク「っ…!」
次々と飛んでくる手、足、正拳、蹴り。
反撃を許してくれない間隔で、攻撃を繋げてくる。
彼女は聖 白蓮、星たちに慕われる魔法使いであり、様々な妖怪たちに救いの手を差し伸べる人間である。
タイハク「はぁ…!」
正面に弾幕の壁を展開させ、聖の接近を防ぐ。
聖「む!」
飛んでくる光弾を後退しながら聖は避ける。
タイハク「飛刀『木の葉乱舞』」
生じた隙を見逃す事無く、タイハクは直ぐ様スペルを発動させる。
聖を中心に、小刀が周りを取り囲むように出現する。
刃の包囲網は、鋭い先端を向けて聖へと一斉に襲い掛かる。
聖「甘いわ、南無三!」
身体から溢れ出る魔力を一気に放出。
周囲に走る衝撃波が、向かってくる刃を全て葬り去る。
タイハク「…無茶苦茶だ…」
衝撃の余波を受け、動きが少しだけ固まってしまうタイハク。
聖「頂きました!」
タイハク「…っ」
一瞬でも出来た隙を、見逃してくれるはずは無かった。
――正直、考えを読もうとすると、どこまでも混乱してしまうこの人が、俺は苦手だ…。
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