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――この時に感じた、星から伝わる暖かい体温…。
…偶然的なものだけど、見た目よりもずっと華奢だった星を抱き締めた事…。
俺の背中に偶然回った彼女の腕から伝わった、小さい力…。
…それは、聖に言われた言葉を忘れてしまうくらい…。
それ以来、何度も、何度も記憶から呼び起こされ、感触を思い出しては変に心拍を揺らしてしまう…。
…人の波が収まってきた時、俺は鼓動を乱すのが星だと気付き、逃げるようにその場から星を残して去ってしまった…。
…自分の気持ちなのに、確定する事ができなかった…。
こういった不安な気持ちを相談できる相手が、俺には一人しかいなかった。
だから、祭りが終わった後、酒の酔いに身を任せていたこともあって、太白にだけこう言った…。
タイハク「…好きな人が、できたかも知れない…」
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