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南地方のとある砂漠――。
そこに、一人の男が立っていた。
手に握られているのは身の丈はあろうかという巨大な武器。
太陽の輝きを受けた刃が、鈍い光を放っていた。
(; ^ω^)「こいつは予想以上にきびしいかもわからんね」
容赦なく照り付ける太陽が、男にはなんともうっとおしく感じた。
鎧の下は既に汗だくで、下着が肌にベッタリと張り付いていてなんとも着心地が悪い。
(; ^ω^)「――おっ!?」
突如、男の目の前で砂煙が上がる。
咄嗟に武器を振るうが間に合わず、ガァンッという音と共に体は地面へと突き飛ばされた。
熱された砂が口の中に入り、思わずそれを吐き出す。
(;#^ω^)「うげっ! ぺっぺっ! ……くそっ!」
急いで体制を立て直し、再び武器を構える。
男の視線の先には――異形の【怪物】がいた。
暗褐色の鱗、ずらりと並ぶ無数の牙。
そして男を見つめる黄金色の瞳。
砂漠に生息する大型モンスター、【魚竜ドスガレオス】――。
それが、この怪物の名称だった。
(;#^ω^)o(単独行動が裏目とでたかお……。でもっ――!)
ドスガレオスは長い首を持ち上げると、体内に溜めておいた砂を口内に移動させ、圧縮させる。
そしてまるで弾丸のように形成された砂の塊を、男に向け勢いよく吐き出した。
( ^ω^)「そぉい!」
迫り来る砂弾。
だが男は素早く身をひるがえしてソレかわし、ドスガレオスの左翼目掛け、巨大な刀身を振り下ろした。
――ギィャヤオォォオオン!!
響く怪物の咆哮――。
まるで斧を彷彿とさせるその刃が、ドスガレオスの左翼を容易く引き裂く。
(;#^ω^)「やったかお!?」
ややよろめきはしたものの、ドスガレオスは琥珀色の瞳でギロリと男を見据える。
この程度では、大したダメージにはならないようだ。
(;#^ω^)「さて、次はどうくるかお?」
男の武器を握る手にも、自然と力が入る。
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