第一話  【狩人】

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  男は武器を持ち直し、ドスガレオスに向かって突きを繰り出す。 が、ドスガレオスは一瞬早くその刃をかわし、そのまま砂中へと潜り込んで姿を消す。 (; ^ω^)「チッ! また砂の中に逃げ込みやがったのかお」 やや砂面がざわめき立ち、いくつもの砂煙が男を囲み込むように現れ始める。 ( ^ω^)「……どうやらガレオス達もよってきたみたいだおね……」 獲物の気配を嗅ぎ付けたのか、雑魚モンスターも集まりだした。 雑魚とはいえ、一つ一つチマチマ相手にしている暇は無い――。 急に砂から飛び出してくるいくつもの影。 武器をしまって何とか全てをかわしきり、男は腰のポーチから球体状の物体を取り出した。 ( ^ω^)「お前らの弱点はコレ……。わかってんだお!」 男がヒョイと投げたその玉は弧を描き、地面にぶつかる瞬間に弾け飛んだ。 キィン! という金属音のような高い音が響いたとほぼ同時に、砂中のガレオス達は次々に苦しみながら飛び出し、のたうちまわる。 無論それは、ドスガレオスも例外では無かった。 ( ^ω^)「魚竜系モンスターは大きな音が苦手……。読んでてよかったハンター大全」 ブーンの使った道具の名は〔音爆弾〕と呼ばれる物であり、聴覚に優れるモンスターには絶大な効果がある。 ――雑魚はとりあえず後回しだ。 男は標的をドスガレオスのみに絞る。 そしてドスガレオスの首部に狙いを付けると、振り上げた斧状の刃を一気に振り下ろした。 ――グギャアイアアアァアアァンン゙!! 斬撃は狙った箇所よりも僅かに逸れたが、刃はそのまま鱗にあまり覆われていない肩部に深く食い込み、肉を引き裂いた。 ドスガレオスが苦痛を滲ませた奇声を上げる。 ( ^ω^)「よし! これで止め――!?」 再び斧を振り上げ、再度首に狙いを付けて振り下ろそうとしたその時、彼の体は突如、物凄い衝撃を受けて弾き飛ばされた。 (;  ω )「がっ……はっ……」 男の体は勢いよく大きな岩に叩きつけられる。 衝撃は凄まじく、体中が軋み、骨がいくつか折れる音を聞いた。 衝撃を受けた方に目を移し、彼は気付いた。 自分の戦っていたものとはまた別に――もう一体のドスガレオスがいる事に。
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