1人が本棚に入れています
本棚に追加
空を飛べたのは奇跡だった。
お父さんもお母さんも空を飛べた。
知り合った友達も、かけがえのない大切な存在も空を飛べた。
飛んでいく先はいつも違う場所。
巨大な鳥がすぐ上を通過したり、風が吹きすさぶ雲の中をずっと飛んでいった。
僕たちはね、あまり考えないんだ。
昨日までの家族も、かけがえのない友達も、ある日ふと忘れちゃうんだ。
それを思い出すのは、目的地に着いた時のみんなのかけ声。
それでみんなの事を思い出して、安心する。
今日も生きて辿り着いたと。
最初のコメントを投稿しよう!