sorrowful wing

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『先に裏切ったのは君だよ?』 そう せせら笑って 君は 私の大切なものを消し去った 無力な私には 何も 出来ない 何も 無い 私には 君が全てだったから 私の大切なものが 音を立てて 崩れて行く 私にとって 何よりも大切なものを消されて まるで そこだけ記憶が無いみたいで ジブンヲ ケサレタミタイデ.. 私には 君が私を 裏切った様にしか 見えなくて 君は 私が先に 裏切ったんだと 言い放った けど 私は君を許せない... 私は君を狩ることを 決意した 見えない君への道のりに 些細な苛立ちが 私の心を 闇へと染める 優しい笑顔を向けながら 私の頭に触れる君を 突然 思い出して ナミダが 溢れた... どんなに憎くても どんなに酷い事をしていても 君と過ごした 暖かい日々が 脳裏に焼き付いて 離れようとしない だけど私は だからこそ私は 君を... 私は君に 刃を向けた 『僕は..君の裏切り者...君は..僕の裏切り者..だけど...僕は君を..殺せない..だって.......』 君は 私の耳元で 小さく囁いた そして 君は.. 自ら... 私の刃に身を倒した 紅い液体が 君から滴る 君がそっと囁いた 最後一言が 私の全てを締め付ける.. 何もかもが 私の手から 滑り落ちた 君の形をした ソレは もう ウゴカナイ.. 血に染まった 紅い手を 見つめ 瞳から溢れ出す 止まることを知らない 涙を流して 想う...最愛だった君を 想う...最愛だった筈の 君を
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