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サァァァァ
夜になり外は雨が降りだしていた。
「…ちょっ――ちょっと待ってよオジサンッ!!何なの!?」
パシャパシャ
相澤澄が後ろから追いかけてくる。
「そういう目的じゃなかったの!?」
パシャッ
「じゃ、何であたしなんかに話しかけて――」
?
「…………バカヤロウ」
俺は我慢できなくなり雨の中、涙を流していた。
「……何してんだよ。このバカヤロウ…ッ!!」
サァァァァ
「…によ、なによ…っ!関係ないでしょ!?オジサンになんかッ!!」
「…………関係ない…か。じゃあお前のコト買ってやるよ。それなら関係あんだろ…?」
――こんなハズはない……
ザァァァァ
俺の知ってる澄がこんなことを平気でやってるヤツの筈がない。
これは何かの間違いだ…何かの――
気がつくと俺はベットに腰かけていた。
……澄の実家だな…ここは外観に見覚えがある。
まさかこんな形で初めて中に入る事になるとはな。
高校の頃は確か澄の親父さん入院してたんだ――
ガチャ
赤いバスタオルを巻いた相澤澄が入ってきた。
「――…前金で6万円……いい?」
俺は財布から無造作に札を抜くと、ベットの上に置いた。
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