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今日も俺は働く。
病弱な女王の為。
我等が母女王の為。
働きアリの生活なんて毎日が同じ事の繰り返し。
餌を見付け、運び、そしてまた探し行く。
餌を取るため巨人の家に入り込んだ仲間は次々と居なくなってしまう。
そんなくだらない毎日に飽き飽きして、ひょいと列を離れた。
何のあてもない。
ただ自分の思うまま、歩を進めた。
列が遠退き、仲間達の話し声も風の音と区別がつかない。
戻れないかもしれない。
頭の隅ではそんな風に思っているのに足を止めることはしなかった。
ただ何かに引き寄せられるかのように俺は森の奥へと入って行った。
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