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「変だなぁ…」
中に入って5分、歩き続けていた俺達の沈黙を破ったのは、サラリーマンの生田誠だった。
「鏡の館なのに鏡が一枚もない…」
その通りだった。鏡の館という名前から想像したのは、壁一面に鏡がありどこが道かわからない、というものだったのに。
「それに…広いですよね」
森深衣がぽつり、と呟く。それに続いて北村芽留が
「……ねぇ。歩いてばっかってのもつまんないから、しゃべりません?」
「しゃべる?」
「例えば…何でここに来たのか…とか?」
北村芽留は全員の顔色を伺うように、試すように、楽しむように笑っていた。
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