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「うわぁぁぁああぁあぁぁあぁぁっっっ!!」
自分でも信じられない位の大声が腹の底から溢れ出し、鬼の居ない方へ――暗闇待ち受ける雑木林の中へ向かって、身体が引き千切れんばかりの勢いで走り出す。
「何だあれ!何だあれっ!何だあれっっ!!」
呼吸もフォームもバラッバラ。手足は一歩でも遠く、一秒でも速くその場から離れようと必死に足掻き、パニクる頭はバグだらけのノイズを吐き散らかす。
そしてそれとは別のもう一人の自分が、そんな無様な自分の姿を冷めた眼差しで見下ろしていた。
暗い木々の隙間を縫って、とにかく前へ先へと走り続けると、不意に視界が開け光が差す。
ガンッッ
いきなり鼻っ柱への硬い一撃に、目から火花が飛び出す。
「くんぬぅ……ぅっふぅ……っ」
両手で鼻を押さえながら二度三度身体を仰け反らせてその場に屈み込む。
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