2/19
前へ
/116ページ
次へ
 ――――俺……ひょっとしたら、出禁食らうんじゃなかろうか?  閉じたり開いたり手の中で玩んでいたケータイをもう一度見ると、あれからたったの4分過ぎただけ。閉じたケータイを元あったフリースのポケットに無造作に突っ込む。  明日はサボろう。どうせ行っても授業なんてつまんねぇし。  そんな事をちらりと考えていると、ひゅ~~っと冷たい風が背後から首筋を撫でて通り過ぎる。 「うぉっっ!!さむっ!?」  3月も半ばを過ぎて、随分と暖かくなってきたかと思ったが、夜は流石にまだ寒い。  風邪引く前に、とっとと帰って熱い風呂にでも浸かってさっさと寝よう。  そうと決めれば、こんな寒空の下でノタクラ世の中を儚んでいるのも馬鹿馬鹿しい。  そこの公園を突っ切って、早いトコ布団に潜り込んで惰眠をむさぼる尽くすとでもするか。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加