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~夢の約束は~
東を守護するは、青龍。
西を守護するは、朱雀。
南を守護するは、白虎。
北を守護するは、玄武。
中央を守護するは、黄龍。
五の神に守護されし都に、誰もが恐れる妖刀を携えし剣士がいた…
背まで伸びた艶のある黒髪を束ね、普通の者とは違う金の目を持つ青年・神威白夜(かむい びゃくや)は、人と妖の間に産まれた
彼は妖刀と共に両親の仇を探しながら
都に蔓延(はびこ)る悪鬼羅刹を斬り伏せる
日は高いにも関わらず 白夜は穏やかな寝息を立てる
昨夜の悪鬼退治に疲れ
深い眠りの中 夢を見てた…
懐かしい 幼き頃の夢
『私と取引をしないか?半妖の子。』
刀の封を剥がした途端に聞こえた声
取引…お前の望みはなんだ…?
俺は、迷わず刀に応え返した。
『悪鬼羅刹共の黒い血が吸いたい。
満足出来れば、眠りに落ちる。
私の望みを叶えるならば、お前の望みも聞いてやろう。』
…俺は、俺の望みは――だ。
――が終われば、俺も――。
何だ?
俺は、あの時なんて答えた?
思い出せない…
『その望み聞き入れたぞ。共に望みを果たそう、半妖の子よ。
私の名は桜乱華(おうらんか)だ。』
俺の名前は―
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