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終戦一年後 中篇 三郎君達の生活
三郎君達は、焼け跡にバラック小屋を建てて暮らしていた。
三郎君が次郎アニキや敘子姉さんと力を合わせて造った。
立派な家だ。
この小屋を建てられたおかげで、母と祖母、そして末の弟を疎開先から呼び戻せた。
ただ…次郎アニキは…まだ、どこかショボくれてしまってるのが気がかりではあるが…。
…しかし…まぁ…学業の方は頑張ってるし…アルバイトもして、家計も助けてくれてるんだし…何より…他の大人達は、もっと呆けているし…。
まっいっか。
俺が頑張ろう!
食糧難の清水寺一家のため、何と、三郎君は焼け野原を開墾し始めた。
「カボチャだったら、俺でも作れる!」
「三郎、頑張り過ぎよ。あんた水泳部にも入部するんでしょ?」
三郎君を、敘子姉さんが心配している。
「何言ってるんだよ。うちには、食べ物くれる田舎がいないんだから仕方ないだろ。」
女は心配性でいかん。
「…じゃあ、可哀想だけど…部活は諦めたら?」と敘子。
「絶対嫌だ!
だって、皆やってるんだぜ。」
(勿論、ここで言う【皆】とは予科練仲間の2~3人の事である。)
「…でも」
敘子はまだ、続ける。ウゼェ!
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