‡01 空っぽ

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  「あたし、イチゴ飴食べたい♪」 「ん?イチゴ飴か。どこに売ってる?」 「ほら、あそこ。イカ焼きの屋台の隣♪」 「あ、ほんまや。行こ♪」 初めてのデートは、秋祭り。 和樹には予定があったけど、あたしの為に空けてくれたんだって。 「手、繋ぎたいな♪」 積極的な態度は、ヒかれるかもしれない。 だけど、今より、もっと仲良くなりたい。 「洙果(シュカ)ちゃん、小さいし迷子になりそうやもんな♪」 「あ、ひど~!」 可愛さを意識した膨れっ面を作って、あたしは彼を見上げた。 あたしの身長は、155cm。 めちゃめちゃ小さいってワケじゃ無いけど、180cmの彼から見ればかなり小さい。 差し出された彼の手を握って、イチゴ飴の屋台に向かった。  
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