‡01 空っぽ

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  アパートの外で、彼が着替え終わるのを待った。 中に入りたいなんて、野暮なことは言わない。 面倒なオンナ=重いオンナだし。 「お待たせ。行こか。」 「はい♪」 長身の和樹は、モデルみたい。 シックに決めた私服が、とてもカッコイかった。 彼の車に乗って、あたし達はドライブを楽しんだ。 大阪の街を宛てもなく走って、和樹は、ラブホテルが建ち並ぶ場所へと、車を向かわせた。 「イイ?」とか「ダメ?」とか、確認を取ることを、彼はしない。 お洒落だなって思った。 余裕な態度がナニゲ憎いけど‥。 それもカッコ良さなんだって感じて、あたしはDOKIDOKIしていた。 きっと、あの子は、そこにハマったんだ。  
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