‡01 空っぽ

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  「洙果ちゃん、降りて。」 エンジンを止めた和樹に頷いて、あたしは車を降りた。 緊張した風を装って、抱かれた肩を竦め、エントランスへと歩く。 部屋に入るなり、和樹は、キツく抱きしめて来た。 熱いkissをして、抱き上げたあたしをベッドへと運んで‥ 有無を言わせず、服を脱がせた。 じれったい駆け引きを、必要としないんだ。 強引なとこ、すきだなって思った。 「ね、電気‥、消して?」 狼に狙われた子羊みたい。 ちょっぴり震えた声で、あたしは彼に囁いた。  
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