冬仕度

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夏が過ぎ、秋を迎えたばかりの幻想郷のお天道様がさんさんと光を降らせている ……訳ではなく、しとしと雨が降り注いでる 今回の夏は雨があまり降らず農作物に影響が出るかと思われたが、夏の終わりから秋に入るまでの間に雨が時々降ったから多分大丈夫だろう そして博麗神社の博麗霊夢は雨を見て少し不機嫌である もうすぐ中秋の名月である そこで博麗神社で宴会を開こうという話になったのだが、相変わらずの雨続きで準備が半分程度で進まずじまいである 晴れていればあのうっとおしい吸血鬼が来て暇も潰せるだろうが、今日は吸血鬼にとってお日様より天敵な流水、つまり雨である 「あ~あ、宴会やるのはいいけれどこう雨続きだとやるにやれないわね」 「私はお酒さえ飲めれば満足だぞ」 そう言って霊夢の後ろで酒を飲んでいる幼……少女がいる 彼女は伊吹萃香、外見はただの幼じ……少女だが鬼である まぁこまかい説明は省くのであしからず 「あんたはそれでいいかも知れないけどね、こっちは宴会準備が進まなくてちょっとイライラしてるのよ」 「まぁまぁ霊夢、飲むか~?」 萃香は手にした徳利を霊夢に差し出す 「いらないわよ。 でも本当になにかすることないかしら?」 「何かすることがなければ冬仕度でもしたらどうだ?」 「うわっ、って魔理沙。 どっから現れたの?!」 「人を虫みたいに言うなよ」 「あぁごめんごめん。 でもなんでこんな雨の日に冬仕度?」 「どうせ今日みたいに雨の日にしか空いてないんだろ?。だったら香霖堂に言ってみようぜ」 「う~ん、まぁ別にいいけれど……萃香、あんたはどうする?」 「私は待ってるよ」 そう言うとまたぐびぐび酒を飲み始める 「そう、わかったわ」 一応社の中に宴会道具は用意してあるため、霊夢は萃香に留守番を頼み、魔理沙と香霖堂に向った
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