小さな詩

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大好きな人が出来ました。 (とても大切な人が現れました) けれど貴方はいつも違う人を見ている。僕ではない、他の誰か。でも、それでも構わない。僕が好きなのは、そういう貴方だから。 大好きな人が結婚しました。 (とても大切な人が幸せになりました、) 貼り付けた笑顔、貴方に見せる為だけに作った偽物の、笑顔。今やれるだけの、精一杯。愛する人の傍で幸せそうに笑う貴方の笑みに敵うはずなどないのに。 その裏で、貴方の幸せを素直に喜べない自分がいる。これが自分で選んだ道なのに。――僕が好きだったのは誰の物でもない貴方自身だった。 大好きな人が、死にました。 (――とても大切な人を、殺しました) けれどアナタは最期まで笑っていて。 いつの間にか頬を伝う涙、僕は大きな過ちを犯した事に気づきました。 もう僕には、貴方を愛する資格など無くて。むしろそれを自ら棄てるような行為をしてしまった。 何故最期に貴方は笑ってくれたのですか、 .
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