マックと私と白いもの

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たまにはジャンクフード貪りたいと、マクド○ルドでなんとかセットをテイクアウトしてみました。 フルーリーよりマックシェイク派です。 「ただいま」 我が家であるマンションに帰宅しましたが誰もおかえりとは言ってくれません。なんてったって一人暮らし。海外勤務の両親を恨むばかり。 「さっそくいただきましょうか」 がさりと紙袋を開けて、ハンバーガーをとりだし むにっ と思いましたが、ハンバーガーを求めた手が掴んだのはハンバーガーには有り得ない感触。 セットのお飲み物でもポテトでもない、オマケに購入したシェイクでもない弾力を持った物体には心当たりが御座いません。 恐る恐るその物体Xを紙袋から取り出します。 「……………………おもち?」 私の物体Xに対する第一印象は、顔のあるおもち。 手のひらサイズの白いボディにデフォルメされた顔?が描かれています。 よくよく見れば眼鏡をかけているような…… まじまじと眺めることを一旦やめて、テーブルの上におもちXを下ろして更に観察します。 えっなにこれ。もきゅもきゅ動く。 「コイツ………動くぞ……」 呟いたら満足しました。 それにしてもコレ、何なのでしょうか。生きているんでしょうか。 つつくと低反発枕よりもっちりした弾力で、なかなかのさわり心地。 「マクドナ○ドの新しいサービスでしょうか?」 まず有り得ませんけど。 こんな未知の物体をサービスされたら苦情が殺到します。 ふと思い、紙袋の中を確認するとハンバーガーもポテトもお飲み物のコーラも何者かに食い荒らされていました。 それにしてもコレ何なのでしょうかこの物体。昼食をダメにされ、ちょっとイラッとしてしまいました。 試しに少しだけ残っていたポテトを一本摘んで、おもちXのデフォルメされた口元に近づけてみ もしゃもしゃ 「……………予想通りに食べられましたね。」 小さな口を動かしてポテトを咀嚼していく姿は可愛いと言えるものでした。 食物を食べたしこれは生き物、という認識でよいのでしょうか。
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