四章[ここは活字一丁目]

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くすくす… 満ちゃん変なの(笑) 私は人とは違う。 喋れないだけ… ‘だけ’と言ってしまえばそれだけだけど、それが結構大変です。 満ちゃんや彼方くん達みたいに私のハンデを知ってくれている人達と、そうじゃない人達との折り合い方は当然違います。 私を知らない‘そうじゃない人達’と仲良くなること、新しいコミュニティを作ることは私にとって物凄い勇気が必要なんです。 何も言わない私にイラついて、喋れないことを知ると戸惑って遠巻きにするんです。 私は好きで喋れない訳じゃないのに… 頑張って歩み寄っても皆、私を腫物のように扱うんです。 だから私は本に逃げた。 物語の中は何時も変わらなく私を迎えてくれるから。 ページを捲る紙の感触と 活字の海は とても心地よかった。 このナカに潜って沈んでいたかった。
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