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「町ちゃん。」
「あっ、ルノ」
噂をすれば何とやら。
目の前には、今まさに考えていた桜井ルノが居た。
胸のところまで伸びたストレートの黒髪はサラサラで、少し茶目っ気を含んだ顔は、同性の私もハッとするほど綺麗だった。
「ねぇ、町ちゃん。水瀬…」
水瀬…。
その名を聞いたとたん私の心臓がドキンと跳ねた。
「水瀬、町ちゃんとさっき何の話してたん?」
「え……。」
ルノはまるで私の目から真実を知ろうとするかのように、じっと私を見ていた。
ドクン、ドクン、ドクン。
心臓の音が五月蝿かった。
ドクン、ドクン。
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