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ルノはだんだん落ち着きを取り戻していった。
すると私をトントンと叩いて、友達の数人がついて来て、と歩き出した。
(あ、この展開は…)
「なぁ、どういう事。」
きた。
何というお約束。
人影のない廊下の隅で私は四方を囲まれていた。
「どういうこと、って?」
あまりに王道すぎて、つまらない。
けど、現実はそういうものだ。
「どうしてとっとと断らへんの?」
タイミングがなかったからです。そんな事を言える雰囲気じゃなかった。
「そんな、皆で俺を失恋させんなよぉ!」
こおりきった空気を、そんな水瀬の声が溶かした。
女子達は一様に驚き、そそくさと去っていった。
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