STEPⅠ

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「なんでだよ!謝ってるじゃないか!!チクショウ!」 「だからー。お前がキレんなって・・・」 「べ、別にお前のために集めたデータじゃ無いんだからな!たまたま手元に・・・」 またA4のコピー紙か。 なんでデータ化しないんだ。 また子供臭くなって来た面倒なオーナーの手から、用紙の束をひったくるとカウンターに手の平を叩き付け。 罵った。 「バウ!!メルシー!シーユー!good-bye!」 すっかり見慣れた重たい扉を開くと、チリンチリンと鈴が鳴る。 見送りはこれだけで十分だったのに。 「goodluck」 goodluckに"足の骨を折れ"って意味があるのを知らないのか。 そう思いながら、店の数少ない客は日常の光の波の中に溶けていった。
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