STEPⅡ

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「ハンカチ、ティッシュは入ってる。財布に時計はしてるし・・・」 シュッシュッ 「うわ!キツ!」 部屋中に甘ったるい、得体の知れない匂いが充満したことで目が醒めた。 あれから数日。 「よし!遊園地とかマジ久々ぁー・・・」 苦無は当日になって自分の中にある、変なスイッチが入っているのを感じていた。 それは多分、日頃は抑制している"本来の自分"。 あんなバカやそんなコトをしなかったら、きっとそこに居たはずの日常の私が。 部屋を見渡す限り、イロイロやってくれた訳だな。 「私はこれから"人殺し"をしに遊園地に行きます。ムダな"おされ"は要りません。付け爪とか外して行きます・・・」 なんだかんだ、手の込んだ準備のリセットをしていたら、なんと短い針が一周しているじゃないか。 「まぁコレくらい・・・時間も押してるし・・・ねぇ?」 リボンの編み込みだけはそのままに、私はやっとのことで愛車に跨った。 「よし、行くよ・・・」 今日は追われませんように。 例えどれだけ浮かれていようと、フルフェイスを被る前に。 そう祈るのだけは忘れなかった。
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