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このシャワーが終わった時、私は一度死ぬ。
それに恥じない格好に成らないとダメだ。
「あー・・・」
しまった。
こんなことしたら、常連の美容院のおじさんに叱られてしまう。
「ま・・・もういいよね」
滴る水と一緒に、かなり豪快な量の髪束が床に落ちていく。
堕ちていく
"うーん!サッパリしたね。もう赤頭巾ちゃんなんて弄れないじゃないか、名前を。名前を決めなきゃね"
何が覗かない。だ
右上のカメラを睨み付ける。
「そう?ショートは初めて」
言いながら、用を成した包丁を投げつけた。
"おやおや?・・・コホン。そう、名前を決めなきゃ"
蛇口を逆に捻ると、部屋には不快なノイズ音だけが響いている。
赤ちゃんはこれで黙ると言うから驚きだ。
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