opening

5/5

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
「名前・・・そうだね。貴槻やよいは死んだんだね」 隠したい部分にだけ、バスタオルを巻いて私はシャワールームのドアに寄りかかった。 "そう。やよいは死んだ。はい!今死んだ、バイバイやよい。そして・・・こんにちは" 私は変わる。 決意と決断、行動と契約をしてしまった。 「こんにちは・・・せん、の・・・・苦無。私は千乃苦無」 "おはよう、こんにちは、こんばんは千乃苦無。そして、ようこそ" 餞別。 だと言って、投げられた黒い衣装を黙って胸で受け取る。 「あんた、名前は?」 ちょっと鼻に近付けてから、勢いよく袖を通してみた。 "ボク?オレ?自分の名前はチャットリオ!よろしくね" たった今、ついさっき、私のために誂えたように、その服はゆったりと 肩に 胸に 丈も デザインも 型にはまった。 「・・・チャットリオ、とっておきを有難う。さっそく始めようか」 "フフ。せっかちだネ苦無。大丈夫だって、もうソノ罪から、キミハ、ノガレラレナイカラ・・・" そう、私は決意を表す為、大罪を犯した。 それは一般に言う"決断"という工程。 親兎滅殺 最も穢れた血の大罪。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加