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「名前・・・そうだね。貴槻やよいは死んだんだね」
隠したい部分にだけ、バスタオルを巻いて私はシャワールームのドアに寄りかかった。
"そう。やよいは死んだ。はい!今死んだ、バイバイやよい。そして・・・こんにちは"
私は変わる。
決意と決断、行動と契約をしてしまった。
「こんにちは・・・せん、の・・・・苦無。私は千乃苦無」
"おはよう、こんにちは、こんばんは千乃苦無。そして、ようこそ"
餞別。
だと言って、投げられた黒い衣装を黙って胸で受け取る。
「あんた、名前は?」
ちょっと鼻に近付けてから、勢いよく袖を通してみた。
"ボク?オレ?自分の名前はチャットリオ!よろしくね"
たった今、ついさっき、私のために誂えたように、その服はゆったりと
肩に
胸に
丈も
デザインも
型にはまった。
「・・・チャットリオ、とっておきを有難う。さっそく始めようか」
"フフ。せっかちだネ苦無。大丈夫だって、もうソノ罪から、キミハ、ノガレラレナイカラ・・・"
そう、私は決意を表す為、大罪を犯した。
それは一般に言う"決断"という工程。
親兎滅殺
最も穢れた血の大罪。
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