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「そうなの。けど全然お花なんかないし……霧が広がっているせいで、あなたの顔も見えない…」
そう言えば……
と言葉を続ける。
「ここは私の心の中の世界だって、あなたは言ったよね??」
「えぇ、言ったわよ。それがどうしたの??」
「じゃあどうして、私の知らない人が私の心の中にいるの??お母さんでもおばあちゃんでもない……先生でもない……あなたの声を私は全然知らない。どうしてなの??」
「そうね……」
彼女はそのまま言葉を続ける。
「不思議に思うのも当たり前よね。それはちゃんと、久美ちゃんに1つずつ説明しってあげるね」
やっぱりその声は私に安心を与える。聞いているだけで、なんだか心が落ち着くんだ。自分の心の中で心が落ち着くって、なんだか変な気分だけどね。
「私が誰なのか、どうしてあなたの心が霧で曇っているのか。そして、なぜあなたがここにいるのかを……」
一瞬言葉に悲しみが感じられが、あたしは気付かなかった。よっぽど声に意識を集中していなければ分からないくらいの微かな悲しみの響きだったから……
彼女は軽く深呼吸(??)をしてから話しを始めた。
それでは……
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