始まりは…

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「絵美ちゃん…私…無くしちゃったの。おばあちゃんに貰った御守りを無くしちゃったの」 目からポロポロと、涙がこぼれ落ちていく。壊れた蛇口みたいにとめどめなく流れる。教室の床にシミが1つでき、2つでき、やがて1つの円となる。 「おばあちゃんに、絶対に無くしたら駄目だって言われてたのに…私…」 泣いてるあたしを見て、絵美ちゃんは慌てて言った。 「泣かないで、久美ちゃん。私も一緒に探してあげるから、ねっ!?」 「でも…そんなの悪いよ…」 「大丈夫。それに一緒に探した方が、早く見つかるでしょ??だから一緒に探そうね」 絵美ちゃんの言葉は優しさが詰まっている。その優しさがあたしを落ち着かせる。瞳はまだ涙でうるうるしたままだけど…… 「ありがとう、絵美ちゃん……」 「全然いいよ!!私たち友達でしょ??友達が困ってたら助けるなんて当たり前じゃん。よしっ、早く探そ!!」 友達……。私たちは友達なんだ。困ったらお互い助け合うような仲なんだよね。 「うんっ!!」 あたしは大きくうなずいた。声には元気が戻っていた。
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