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『とは言うたものの、実際の所手に入ったのはこれだけ…なんじゃがの』
ソファから腰を浮かし、身を乗り出す様にじいやの手元を見つめる
『ふふ…熱くなってる貴方も素敵ね』
白い指がじいやから受け取った物は、5枚のフロッピーディスクだった
『これが…?』
情報屋の腕は確かだ。年齢不詳な風貌だが、仕事は正確で素早い
彼の情報で命を救われた事も少なくないのだ
そんな腕利きの情報屋でも手掛かりを追えない相手…
『正体を掴むには、危険を冒す必要があるやもしれん…お主達…』
視線を一人一人に合わせながらその先の言葉を濁して口をつぐむ
『ここまできて、後には退けないだろ!
…お前もたまには素直に頼れよな』
『いつでも準備は出来ているわ』
『勿論…退くつもりなどない!』
『そう言うじゃろうと思っておったよ…』
ゆっくりと、しかし顔は満足気な笑みを浮かべながら白髪の紳士は頷き、こう言った
『お主達にミッションを与える。この情報を以て謎の男を追うのじゃ!』
『……些か、芝居染みておったかのぉ?ホッホッ』
変わった笑い声を残して、白髪の紳士は部屋を出て行き、後には3人だけが残った
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