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後に残されたのは、私とお狐様と…?
私は母の姿を探しました。
(案ずるな。母親はまだ帰ってはおらぬ。
我が姿を借りただけだ)
(娘よ…まだオマエは幼い…オマエ自身の事を話し聞く事は、まだ早いようだ。だが、解らずともアレらはオマエを求めて来る。)
(アレって…幽霊?)
(今回はな…アヤツが唆さなんだら、いつか、首と身体共に成仏出来たものを…憐れな事よ)
(私…食べられちゃう?)
お狐様は、鋭い目を少し和らげて…
(我は、この地の稲荷。オマエがこの地に居る限り守護出来よう。アヤツもまだ弱い…)
(どうして…?)
(いつか、オマエの母に聞くがいい…我ら稲荷とオマエの母方の一族の関わりを…我は、もう行かねばならぬ…)
お狐様の姿が、ゆっくり消えて行く時、微かに聞こえた言葉…
(アレを…食し…た…?)
夢から覚めたように、周りを見渡す…私一人…
部屋の電灯がついていた……。
本当に、今夜は綺麗な月夜ですわね。
お帰りも、月明かりで足元も大丈夫ですわね。
ごめんなさい…この道は車が入れませんから…
不便おかけして…
あれから?お狐様ですか?
次の日お礼に、お揚げを持っていきましたの…不思議ですわね。
何故、お揚げなんでしょうね…。
はい…あなたも、お気をつけてね。
では、明日三夜目にお会いしましょう
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