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高校生、大野 真の人生は、まさしく普通と言えた。
一般家庭に生まれ、特に大きな事故も無く、難病に侵される事も無く、学業も中の中。
顔も特に特長が無く、髪は黒く少しくせ毛と言うだけ。
担任から、「特技が無いのか」と言われる程器用貧乏で、なんでもそつなくこなす。
体力も平均的で、身長や体重も年齢平均辺り。
進学にも困らず、都内の中流進学校へ入学。
高校卒業後も、中流大学へ向かい、無難に公務員になる事が、教師と親の話し合いで決まっている。
……別にそれが嫌な訳では無い。
それが『大野 真』の人生だと、自分で理解しているからだ。
特別な事が出来ない訳では無い、したくない訳では無い。
ただ、その行動で『大野 真』の順風満帆人生プランに、悪影響があってはならない。
それを大野が悟ったのは、小学四年の頃の話だ。
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