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高校入学後の二度目の夏休み目前のある日――。
そんな『普通』な大野に、『異常』な事態が生じた。
高校生の大野は人当たりが良く、友人も出来、親友と呼べる者も出来た。
恋と呼ばれる体験をし、部活動という一体感も得た。
彼にとって、夏休みは『何かをする休み』程度にしか感じていない。
休み前に立てた計画通り宿題をこなし、友人と遊び、読書もした。
それは大野が高校一年生の頃の話。
そして大野は、今年もそうなるのだと思っていた。
だが、その考えは、予想外の形で裏切られるのである。
大野は、自宅のあるマンションに着くと、鍵を取り出し、入口の扉を開けた。
マンションの入居料は平均で、高くも無く低くも無く。
まさしく平凡。
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