第一章『タイムトンネル』

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どうやら俺は嫌われているらしい。 なぜかは知らない。 知ろうとも思わない。 ただ、休み時間中も誰ひとりとして声をかけてくれないのは、流石に淋しい。 ――放課後、俺はやはり一人で家に向かう。 家までの道のりは、舗装されていない砂利道。 そこをひたすら自転車で進んで行く。 「……ホントに何も無いんだよな」 左右を見渡しても、畑か田んぼか平屋の家がちらほらあるだけ。 祖父の家は、代々農家を継いでいたらしい。 この村で生まれ、この村で死ぬ。 それが『普通』だったらしい。 ただし、親父だけは違った。 家を飛び出し、都会に身を投げたらしい。 結婚し、俺が生まれるまで、どれだけ壮絶な人生を辿っていたのか俺には分からない。 そんな過去を抱えながら、全くその気配を伺わせなかった親父を、俺は好きだった。
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