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私が中学生になった頃から
私の母が毎日尋ねてくる質問がある
それは“恋をしないのか”という質問だった
恋をするのは自分のタイミングで良いのではないか
誰かに急かされて無理矢理するものではない
そして何より気になるのがその質問をするときの母の表情が今にも泣き出しそうな顔だからだ
恋をしたことがない私は、恋は苦しいものなんだろうな。という印象しか抱かず
結局、母に急かされていたものの高校まで恋愛未経験だ
私の母は不思議だ
父…母の夫といつも距離がある
母の顔も辛そうだった
毎日…毎日…。
父はそんなことミリも気にせずに日々を送っている
父はある会社の社長だ
だから私は俗に言う令嬢である
一通りの勉学とスポーツなどは出来る
だけど、全て出来ていても何かが足りない気がしていた
多分それは父のせいだと思う
実の父親である人に対してこう言ってはなんだけど、父の人生はつまらないのではないだろうか
自分を愛していないだろう妻と、その妻と自分の間で授かった何も知らない私
そんな三人で気持ちを偽り続けて生きていくのは辛い
来週から高校1年生となる私にはもう分かる
父と母
二人は夫婦ではない
形は夫婦でも心は他人だ
そう思った
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