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ふと玄関の方向から音がした
メイド達の玄関へ向かう足音が聞こえる
「お帰りなさいませ旦那様」
メイド達の声が静かな屋敷に響き渡る
「…日和は?」
「日和様は自室にいらっしゃいます。お呼び致しますか?」
「あぁ、頼む」
「かしこまりました。では失礼致します」
コツ、コツ、コツ...
私の部屋に近付くヒールの音
「メイドさんかな…」
ベッドに寝っ転がっていた私は身体を上げる
コンコン、とノックされたドアに目をやり「どうぞ」とだけ言う
「失礼致します。日和様、旦那様がお呼びです。リビングまでお越しください」
「分かりました。わざわざありがとうございます」
「いえ。では。」
私の言葉なんかろくに聞いてないだろうなメイド達は。
そう思いながら会釈をするメイドに笑顔を向けた
この家から出て行きたい
そう叫ぶ心の叫びを抑えつつ
私は父の待つリビングへと足を運んだ
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