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リビングに着くと父はソファで珈琲を飲みながら何か考え事をしているようだった
父は私が来たことに気付くと優しく手招きをした
私は父の隣へ腰をおろした
「私を呼び出したりしてどうしたの?」
問う私に父は真剣な眼差しを向けてきた
真剣なのにどこか切ない…。
「日和、お前が入学する高校は寮だよな。」
あぁ…またその話か
父は私が寮制の学校に入学することを許してくれていない
だから入学が決まった今でも他の学校を進めてくる
「また学校を変えろって話?
私嫌だからね」
私の答えはNOと決まっているのに父はしつこい
だけど今回は違った
違ったけど
「いや、寮制の学校に入る代わりに寮は赤薔薇寮な。」
「えっ?!」
赤薔薇寮…。
私の行く学校、「誓鈴高等学園(せいれいこうとうがくえん)」の寮は複数の寮に分かれていて
一般寮は白薔薇
生徒会は黒薔薇
そして私が住まわされる赤薔薇寮は数名しか居ない特殊な寮だ
特殊な寮とあって不思議な噂も多い
噂は噂だけどもし本当だったら…
不安が私を覆う
「なんで赤薔薇…寮…なの?」
「一般生徒と一緒に出来るか!
生徒会には入らないと言うし。
赤薔薇寮の寮長は素晴らしい功績を持つ人と聞く。赤薔薇寮なら私もまだ安心できる」
「でもっ…」
頑固な父はそれ以上語らず
私は結局赤薔薇寮に住むことになった
赤薔薇寮の噂はたくさんある
一度入ると魂を狩られて二度と出ることが出来ないとか
三人の悪魔が居るとか
あり得ない話だけど、実際そこに自分が住むとなると不安が募る
不安を振り払うように私は自室に戻りベッドに埋もれる
近付く入学の時に怯えながら
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