タンザナイト 颯爽登場

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 上山警部は鼻唄を歌いながら、美術館の外に出て、自宅に帰ろうとした。  彼が異変に気づいたのはその時である! 「あ”ーーーーーーーーーッ!!」  彼はショックで思わず叫び声を上げていた。  そこには、タンザナイトからのメッセージカードが残されていた。 『親愛なる上山警部へ。  君が守るべき大事なものは、確かに頂いたよ。  やはりナンバー式のワイヤーロックはやめたほうがいいと思うよ。     怪盗 タンザナイト』    自転車置き場で上山警部はうなだれた。 「俺の……俺の大事なチャリがぁ!!  よくも……よくも俺のチャリ盗みやがったな!!」  怒りに燃える上山警部!  それを見ていた警備員は、思わずあきれ返っていた。 「大事なものって……まさか警部の自転車?」 「それ、怪盗と言うより、ただの自転車泥棒だよね」
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