8人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃、タンザナイトは?
「流石だ……。このマグロ、インド洋の香りがする」
「鋭いな兄ちゃん」
そう、彼は美術館近くの寿司店『宝寿司』で食事をしていた!
しかもただ食事していたわけではない!
「これで北太平洋、南大西洋、インド洋は頂いたな……」
上品に唇に付いた醤油をふき取るタンザナイト。そして、穏やかに店主に口を開く。
「次は……北極海を頂こうか」
「おう! じゃあサーモンだな」
「サーモンか、悪くないな。だが脂っぽ過ぎるのは嫌だから、炙ってくれないか」
「あいよっ」
程なく香る魚の焼ける匂いに、タンザナイトは酔い知れていた。
「はい、北極海炙りサーモン!」
それを上品に口に運ぶタンザナイト。
彼はその味に恍惚の表情を浮かべていた。
「これで、あと3つでコンプ……と言った感じかな?」
最初のコメントを投稿しよう!