8人が本棚に入れています
本棚に追加
彼は続ける。
「『何かいい話はないか?』だと……?
フッ……。世の中、そう美味しい話は転がっちゃいないぜ。
むしろ今の世の中、『美味しい話にゃ毒がある』って言葉こそが常識だろ?」
そして煙草を深く吹かし、煙を吐く。
煙はリング状に広がり、空へと消えた。
「だがな、俺も情報屋。お前にとって、そう損はさせない話ならいくらでもあるぜ。
とっておきの話を教えてやろうか?」
情報屋は不敵に笑い、煙草の火を消す。
「おっと、お代などいらねぇな。
だがその代わり、一度しか言わないからよく聞いておけよ……」
情報屋は一呼吸置いて、こう告げた。
最初のコメントを投稿しよう!