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「一体どうしたの? そんな息を切らせて」
「い……いや、少し飲んだら帰るつもりなんだが……」
焦るタンザナイトの腕を取るガーベラ。
「たまにしか来ないんだから、ゆっくりしていきなさいよ」
「いや、ゆっくりするつもりもないんだが……」
たじろぐタンザナイト。どうやら彼はガーベラが苦手のようだ。
「そうだ、お腹すいているでしょ!
今特製のホットドッグ作るわね」
「あ……僕急用思い出した……」
その時である!
「坊ちゃまぁぁあああ!」
店のドアが開くと同時に、叫び声が響く!
「あ~ら、いらっしゃい……って、じいやさんじゃないですか~」
凍てつくタンザナイト。
咄嗟にソファーの陰に身を隠す。
だが、まさにこの状況は『絶体絶命』であった!
「ああ~、これはガーベラ殿。騒がしくして失礼致しました。
ところで、坊ちゃまはおいでですか?」
じいやのその声に、ガーベラは笑いながらこう返す。
「ええ、あそこのソファーの陰に隠れてますよ」
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