肆章-守護神

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「………。」 「………。」 両者の間にとっても気まずい沈黙が流れる。 そんな中、男が溜め息をついてから言った。 「仕方がない… 俺の馬の後ろに乗れ」 「…解った」 俺は男に促されるまま馬に乗った。 「じゃあしっかり捕まっていろよ。 ハッ!!」 男は掛け声と共に鞭を振るう。 同時に馬も走りだした。 上下にけっこう強めの振動に揺られながら俺はだんだんと離れて行く集落を眺めていた。 そして完全に見えなくなった頃、俺は周りを見渡した。 「…凄い…」 思わず俺はそんな言葉を漏らした。 其処には果てしなく広がる雄大な草原と青々とした山々、そして何処までも続く蒼い空。 正に自然が創り出した芸術と言えよう景色が広がっていた。
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