肆章-守護神

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しかし、そんな素晴らしい景色も3時間もすれば流石に飽きる。 しかも男は馬を走らすことに集中しているのか、一言も喋っていない。 正直暇過ぎる… そもそも157キロメートルという距離 車などの道具を使えば確かに短いだろうが、それを馬で、しかも両腕両足の錘と背中にからっている荷物の重さにより質量が3倍となった俺を乗せている訳で、馬の速度も軽く落ちているので、時間がどうしてもかかってしまう。 速度が落ちていまうのは確かに俺のせいだが、暇だ。 せめて俺の前で鞭を振るっているこの男が何か喋ってくれればまだマシなのだが、それは無理そうだ。 仕方がなかったのでそれから1時間ほど、俺は頭の中で曾曾祖父が好きだったといわれている100年ほど前のアニメの曲を延々とリピート再生していた。
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