肆章-守護神

17/27
1780人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
それから1時間ほど経っただろうか 馬の走る速度が落ち始めてきたので、俺は頭の中で曲を流すのを止めた。 そしてとうとう馬は走るのを止め、歩きだした。 「どうしたんだ?馬がバテたのか?」 俺が男に向かって言うと男は此方側を振り向いた。 「見えないのか?吏庵に着いたんだ」 男の言葉に俺は顔をしかめ、言った。 「あんたが邪魔で前が見えないんだ」 俺の前には完全に視界を遮るように男が座っている為、どうしても前が見えないのだ。 仕方がないので、俺は体を横に倒し前を見る。 「ほぅ…」 そこには、中心部に何個かの大きな建物があり、その周りを囲むように明治中期を連想させるような造り街並みで、街の大きさは軽く東京23区が収まる程の面接があった。 「凄いな…流石は首都だ」
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!