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それから1時間ほど経っただろうか
馬の走る速度が落ち始めてきたので、俺は頭の中で曲を流すのを止めた。
そしてとうとう馬は走るのを止め、歩きだした。
「どうしたんだ?馬がバテたのか?」
俺が男に向かって言うと男は此方側を振り向いた。
「見えないのか?吏庵に着いたんだ」
男の言葉に俺は顔をしかめ、言った。
「あんたが邪魔で前が見えないんだ」
俺の前には完全に視界を遮るように男が座っている為、どうしても前が見えないのだ。
仕方がないので、俺は体を横に倒し前を見る。
「ほぅ…」
そこには、中心部に何個かの大きな建物があり、その周りを囲むように明治中期を連想させるような造り街並みで、街の大きさは軽く東京23区が収まる程の面接があった。
「凄いな…流石は首都だ」
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