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俺と男は馬に乗ったまま吏庵の検問を通り、街の中に入る。
そして俺は街の風景に目を奪われた。
右も左も明治中期の造りの建物が並び、まるで映画の中に入り込んだような気分になる。
しかし、そんな中に軽く違和感を覚えることがあった。
それは何故か街は明治中期なのに対し、行き交う人の服装は明治中期から大正、昭和ときて平成後期ままで様々なじだいが入り混じっていた。
俺がそんな感じのことを考えていると男が喋った。
「もう着くぞ」
俺は前を見ると、そこにはレトロな感じは出ているものの、あまりこの場に似つかわしくない50階建て程のビルが聳え立っていた。
街の外からも見えていたが、やはり近くで見るとかなりでかい。
「俺は馬を置いてくるからそこで待っていてくれ」
そう言って男は馬を引いて建物の裏に行ってしまった。
俺は馬に乗っている間中ずっと我慢していた飴を白衣のポケットから取り出し、袋を破って口の中に入れた。
「やっぱりこれがないと落ち着かないんだよな…」
口の中で飴の甘味を味わいながら俺は目の前の巨大な建物を見る。
入口らしきところに木製の『守護神翠里亜国本部』て書かれた看板がかけられていた。
俺は看板から入口に目を向けると、様々な年齢層の男女が出入りしている。
そしてそれらの人は皆刀なり鑓なりの武器を持ち、中には鎧のようなものを身に付けた人もいた。
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