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俺は男に続いて部屋に入る。
部屋の中央にはテーブルを挟み向かい合った形で置かれた質の良さそうなソファーがあり、窓際に様々な本や書類が山積みされた木製の高そうな机があった。
その机に向かって座り、書類に目を通している真っ赤な羽織を着た30代前半位の男が一人座っていた。
「例の者を連れてきました」
「ご苦労だったな宮嶋。
もう下がっていいぞ」
真っ赤な羽織を着た男は宮嶋にそう言うと、宮嶋は一礼してから部屋を出て行った。
と言うより、あいつの名前宮嶋っていうんだ…
俺がそんなことを思っていると、真っ赤な羽織の男が手に持っていた書類を机に置いてから立ち上がり俺の近くまで来た。
「山を消し飛ばした奴というからどんな奴かと思えば、髪は真っ白だがまだ餓鬼じゃないか。
本当にお前がやったのか?」
「ああ、そうだ」
餓鬼という言葉に軽くイラッときたので、俺は素っ気なく返す。
「フッ、まあいい。
立ち話も難だからとりあえずソファーにでも座って話そうか」
俺はその言葉に従い、男と向かい合うようにソファーに座った。
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